眠りに関わる機能性表示食品は睡眠薬とは違う?

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夜によく眠れなくて困っている人も現代社会では大勢います。睡眠障害は不眠症と診断されている人も多くなり、より良く眠れるようにするために対策をしたいという声が高まっています。機能性表示食品には眠りに関わるものが何種類もありますが、睡眠薬と何が違うのかが疑問になっている人もいるでしょう。

睡眠薬との決定的な違いをわかりやすく解説します。

ヤクルトは機能性表示食品なのか

機能性表示食品は医薬品ではない

まず前提として、機能性表示食品は睡眠薬と違って医薬品ではありません。医薬品は厚生労働省によって承認を受けているのが特徴で、効果効能についてのエビデンスが十分にあって特定の疾患の治療や病気の予防、診断などに使用できることが認められています。

薬機法では医薬品のようにきちんとしたエビデンスがあるものでなければ、この病気を治療できるといった形の表示ができないことを定めています。そのため、一般的な食品には食べたら病気が治る、よく眠れるようになるといった表示はできないのが原則です。

しかし、機能性表示食品は医薬品ではないにもかかわらず、効果効能に近いことを表示できるようになっています。これは機能性表示食品として消費者庁に届出をして受理されることにより、特定の機能性成分についての表示ができる制度が作られたからです。

機能性表示食品の中には睡眠に関して良い作用を示すと考えられる成分が含まれているものがあります。睡眠をサポートするなどといった形で表示し、眠りに関わる悩みを軽減するのに役に立つ食品として一般の人に理解してもらえるようになっています。

この表示をして良いかどうかは科学的根拠による裏付けの有無で判断されていて、機能性表示食品の届出の際に確認されるのが原則です。つまり、機能性表示食品は厚生労働省によって医薬品として認められたわけではありませんが、届出をした企業が責任を持って科学的根拠により表示内容に関わる機能があると示されている食品です。

そのため、眠りに関わる機能性表示食品であれば、食べると睡眠の悩みに関して何らかの作用を期待できることが表示可能になっています。

科学的根拠があると認めている主体が違う

機能性表示食品の場合には機能性の表示内容に科学的根拠があるかどうかについて責任を負っているのは国ではありません。医薬品の場合には厚生労働省が承認した時点で、厚生労働省が責任を負う形になっています。承認のプロセスでは専門家が科学的根拠が本当にあるかどうかを詳しく吟味し、有効性や安全性を確認しているからです。

しかし、機能性表示食品の場合には消費者庁で確認作業をしているだけであって、専門的な見地から科学的根拠について詳しく調査しているわけではありません。機能性表示の内容が過度なものになっていないか、届出者の誤解がないかといったことは確認していますが、内容について消費者庁が責任を負っているわけではないのです。

機能性表示食品では届出者が責任を負う仕組みになっているため、何か問題があった際には国ではなく届出をした企業が責任を取ることになります。この点も機能性表示食品を利用して睡眠対策をする際には念頭に置いておくと良いでしょう。

睡眠薬と機能性表示食品の作用は違う

利用する上での睡眠薬と機能性表示食品の決定的な違いは作用の仕方です。睡眠薬は基本的に脳神経系の活動度を低下させることによって意識レベルを低下させる作用を持つものが多くなっています。睡眠中は脳の活動があまり活発ではなくなることに着目して開発されてきた医薬品が大半を占めているからです。

中には睡眠リズムに働きかける睡眠薬なども開発されていて、作用メカニズムもだんだんと多様化してきていますが、飲んだら眠くなってくるように設計されています。しかし、機能性表示食品の場合には食べたり飲んだりしたら眠くなるような成分を使っているものは現状としてはありません。

睡眠の質を向上させることで寝起きのつらさを軽減することや、中途覚醒を抑制したりすることを目指しているのが一般的です。必ずしも機能性表示食品を摂取したからといって眠りの状態が改善するとは限りませんが、成分によっては人を対象とした統計により睡眠の質が良くなったことを示しているものもあります。

機能性表示食品のメリット

睡眠に関わる表示をしている機能性表示食品を使用するメリットは、睡眠の質が向上する可能性があることです。医薬品の睡眠薬のように即効性があるわけではない点に留意して使う必要がありますが、長期的に摂取していると自然に深い眠りを取れるようになると期待できるのが魅力です。

睡眠薬は基本的に意識レベルを低下させて眠っているような状態にする作用を持っているだけで、自然な睡眠をもたらすとは限りません。長期的に見ると根本的な解決につながる可能性があるのは機能性表示食品を選ぶメリットです。

睡眠薬のメリット

睡眠薬のメリットはすぐに効果が発揮されるので眠れないストレスから解放されることです。睡眠薬を飲むと眠くなってきて、そのまま眠ることができます。機能性表示食品には入眠作用があるわけではないため、摂取してもすぐに眠れるとは限りません。

主に入眠することはできても、寝起きが悪い人や夜中に中途覚醒をしてしまう人の対策として使うことが想定されています。そのため、入眠困難でつらい人にとっては睡眠薬が救済措置になります。人によっては睡眠薬を飲んでいると自然に眠れるようになっていくこともあるので、治療効果も期待することが可能です。

機能性表示食品に依存性はあるのか

睡眠薬には依存性があるということがよく言われています。睡眠薬がないと眠れないという状況になってしまうことがあるため、睡眠薬は医師の指導を受けながら利用することが求められています。しかし、機能性表示食品については特に依存性についてのデータがなく、科学的に示されていないのが一般的です。

ただ、依存症になってしまったという事例が報告されて問題になっているわけでもないので安全性が比較的高いと考えられるでしょう。

眠り対策の機能性表示食品の特徴を生かそう

機能性表示食品は睡眠薬のように厚生労働省によって承認された医薬品ではありません。しかし、届出者の企業が科学的根拠があると責任を持っているので、眠りに対する作用があると期待されます。依存性がないと考えられることに加え、自然な睡眠を取れるようになる可能性がある点でメリットが大きいのが機能性表示食品の特徴です。